
お住まいの改修を検討している方で、「リノベーション」と「リフォーム」の違いが分からず気になっている方も多いのではないでしょうか。
分からないまま計画を進めると、要望が正しく伝わらなかったり希望の改修工事ができなかったりする可能性があるため、事前に理解しておくことが大切です。
そこで、リノベーションとリフォームの違いをお伝えします。それぞれの工事内容のイメージなど紹介してきます。
「リノベーション」と
「リフォーム」の違いとは?
「リノベーション」と「リフォーム」はどちらも「建物を改修すること」を指す言葉ですが、どのように改修するかで異なります。まずは、それぞれの違いを比較してみましょう。
Renovation
リノベーションとは
「既存建物に大幅に手を加えてそれ以前よりも良くすること」
「リノベーション」は「新築時に比べてマイナスになった建物の価値を、プラスまで高める」ように改修することを、一般的に「リノベーション」と呼びます。
老朽化した建物のデザインを新しくしたり、断熱性などを高めたりして、もとの建物より魅力的で快適になることを目指します。例えば、劣化した古民家を、機能性に優れた現代風に改修する工事のことです。

Reform
リフォームとは
「老朽化した部分を新築に近い状態に戻す」
「リフォーム」は「回復・修復」という意味合いが強く含まれています。 一般的に、建物の価値が「マイナスからゼロ」へ戻るように部分的に改修したり設備を入れ替えたりする工事が「リフォーム」です。
住み続けるうちに劣化した水まわり設備や床材を取り替え、新しくする。 劣化したところを補修するだけであれば部分的な工事で済むケースが多いです。

リノベーションとリフォームの
具体的な違いを徹底比較!
「工事内容」の違い
リフォームでは基本的に水まわり設備やフローリングなどの表面的な部分を改修し、建物本体に大きく手を加えません。
一方、リノベーションでは、住宅性能を高めたり、間取りを変えたりする ような工事も行います。

つまり
- ・建物の骨組みが見える程度まで壁や床を解体する作業を伴う
- リノベーション
- ・必要最低限の部分だけ手を加える
- リフォーム
「工事期間」の違い
リノベーションの場合
リノベーションの工事期間は、マンションであれば2〜3ヵ月程度、戸建て住宅であれば3〜4ヵ月程度となることが多いです。打ち合わせや設計に必要な期間を含めると、施工会社に依頼してから完成まで半年程度を見込んでおくとよいでしょう。

リフォームの場合
一方、水まわり設備の交換やフローリングの張り替えなどのリフォームは、1〜3日で工事が終わることが多いです。打ち合わせは半日〜1日ほどで終わり、基本的にはカタログから希望の設備や建材を選んで発注する流れになります。
ただし、外壁や屋根などの外まわりをリフォームする場合は、工事に必要な工程が増えることや天候などの影響などを考慮して、2週間〜1ヵ月程度の工事期間を想定しておくと安心です。

「費用」の違い
リノベーションの場合
使用する設備や建材のグレードにもよりますが、建物全体をリノベーションする場合は総額で1,000万円を超えることが多いです。

自宅を改修する場合は、上記の費用に加えて引っ越し費用や、状況により仮住まいの費用も必要になります。
まとまった金額になるため、住宅ローンやリフォームローンの利用も検討しておくとよいでしょう。
リフォームの場合
一方、リフォーム費用はリノベーション費用に比べて少額になることが多く、水まわりや内装をまとめて改修する場合は、300〜700万円程度が相場です。
リノベーションとリフォーム、
どちらを選べばいい?
- リノベーションがおすすめなケース
- 間取りや外観・内観デザインを大きく変えたい
- 築年数が古く、建物の劣化症状が目立つ
- 冬の底冷えや真夏の暑さに悩まされている
- リフォームがおすすめなケース
- 予算を抑えつつ建物のイメージを変えたい
- まとまった工事期間を確保できない(早く改修したい)
- 水まわりや内装など、改修したい範囲が明確かつ限定的である
「リノベーション」と「リフォーム」は似た言葉ですが、工事内容や費用に違いがあります。家本体に手を加えて見た目や快適性を大きく変えたい方は「リノベーション」、費用を抑えつつ短期間で、部分的にでも新しさや使い勝手の良さを手に入れたい方は「リフォーム」を計画すると、納得度の高い家づくりにつながるでしょう。
いずれにしても、まずは専門家に建物の調査を依頼して、現状を正確に把握することが重要です。ぜひ本記事も参考にしながら、理想のリノベーション・リフォームを実現してくださいね。
